to index
index > 資料館① 上段廻し蹴りについて

資料館① 上段廻し蹴りについて

<上段廻し蹴りについて>
■狙う場所は?
首より上がヒットポイント。 顎とコメカミ、首筋は脳を揺らせやすい。顔正面もダメージを与えやすい。 おでこや頭部の髪の毛が生えているところはひじょうに固いので、かえって自分の足を痛めてしまう恐れがある。
■どこで蹴るか?
基本では廻し蹴りは中足で蹴るとなっているが、中段は兎も角、上段は背足(爪先から足首までの範囲)で蹴る事が一般的。出来るなら脛で蹴っても良い。 一般的に足首を曲げると屈筋に力が入って蹴るスピードが遅くなるのでやらない。 但し、相手の首筋に引っ掛ける蹴りは、足首を曲げて蹴る場合もある。
■ストレッチ
[前後左右開脚]と[逆正座]両方の柔かさが上段廻し蹴りのしなやかさに繋がる。 特に前後左右開脚では、180°開脚出来て、前に上半身を倒した場合に臍が付くくらいにしっかりとストレッチする。 また、逆正座では、尻がペタッと床に付くくらい腰が落とせるようにする。 その他に、動的ストレッチとして、前蹴上げ、横蹴上げ、内廻し、外廻しなども非常に大切である。 特に、稽古前に床に座って静的ストレッチばかりすると、クールダウンして筋肉の温度が下がってしまう。 動的ストレッチで筋肉温度を上げて、筋肉収縮の反応速度を上げなければならない。
■フォーム
蹴り足の高さは、膝の抱え込みの高さと直結する。 壁に手をつき、蹴りのフォームで少しでも高い位置に膝を上げられるようにする。 慣れてきたら、畳んだ膝を伸ばして、腰の入った上段廻し蹴りの理想的な形に整える。 補助者に蹴り足を持ってもらい、壁に手をついてゆっくり行なうといい。 蹴りに腰をしっかり入れて、細かいバランスもチェックする。
■上体が前を向いて下から掬い上げるような蹴り方では窮屈になってうまく蹴れない。
膝を抱えて、胸を横に向け、腰をしっかり入れ、脇腹をやわらかくして蹴ることで、スムーズに上段廻し蹴りを放てるようになる。
■上段廻し蹴りはサンドバッグなどの重いものを蹴らない。
慣れないうちはどうしても押し込みながら蹴ってしまい、上段廻し蹴りの生命線とも言えるスピードや技のキレが失われてしまう。 補助者の掌を軽く蹴り、スピードやキレを養う事が大切で、慣れてきたら、補助者が上段に構えたパンチングミットを鋭く蹴り込むといい。
■前足での上段廻し蹴り
構えた状態から、素早く前膝を高く抱えて、スピーディーな上段廻し蹴りを放ち、ヒットしたらすかさず蹴り足を戻す。 上段廻し蹴りは、この方法が基本となる。
■振り抜く上段廻し蹴りも使うことは多いが、そればかりやっていると、この蹴り足を戻すやり方ができなくなってしまう。 尚、振り抜く蹴りを稽古する際は、ミットなどの手前や上を空蹴りするのがいい。
■前足の前蹴りから繋ぐコンビネーション。
構えた状態から、前足で牽制の前蹴りを放つ。 すかさず蹴り足を戻し、今度は前足で上段廻し蹴りを放つ。 動き出しの膝の高さをなるべく変えずに蹴ることで、直前の前蹴りと軌道を錯覚させることができる。
■相手の心理を操作する
上段廻し蹴りは警戒されやすい心理を逆手にとる。 上段廻し蹴りを囮に使うことで、逆に他の蹴り技を当てやすくする。 構えた状態から、上段廻し蹴り。すぐに蹴り足を戻して、右足を踏み込んで下段廻し蹴り。
■奥足での上段廻し蹴り
一歩踏み込んで力強い一撃で勝負を決める奥足上段廻し蹴り。 構えた状態から、移動稽古のようにスッと踏み込む。 同時に蹴り足を上げて上段廻し蹴り。 踏み込みの足に軽く体重を乗せ、後ろ足と前足の重心の比率が6:4くらいになるのが理想である。
■相手のガードを操作する
構えた状態から中段廻し蹴りを数度繰り返し、相手のガードが下がってきたら、上段廻し蹴りを叩き込む。 奥足はモーションが大きいから他の蹴り技と織り交ぜて命中しやすくする。 中段の代わりに下段廻し蹴りを使ってもいい。
■相手の心理を操作する
前足でも見せた上段廻し蹴りを囮にした別パターン。 構えた状態からいきなり上段廻し蹴りを放つ。 蹴り足を戻さず、そのまま真下に置き、次の蹴りの溜めを作って空いたボディへ三日月蹴りを叩き込む。
■突きへのカウンター
接近戦から相手が突きを放ってきたらそれを払う。 同時に、相手の突きと同じ側の足で上段廻し蹴りを放つ。 上級者であれば、突きに直接上段廻し蹴りを合わせてもいい。
■突きを使って軌道を隠す
上段廻し蹴り 構えた状態から順突き、逆突きを放ち、拳を戻すことなく膝を上げて上段廻し蹴りを叩き込む。 拳に意識がいくため、死角が生まれる。
■打ち合いからカウンターを誘う
打ち合いの中から意識的に距離を置く。 スムーズに離れて距離を取りすぎない。 すると相手は自然と距離を詰めてくる。 入り際に合わせて、前足でスピーディーな上段廻し蹴りを放つ。 これも、相手の意識を操作した技と言える。
■下段廻し蹴りへのカウンター
構えた状態から、相手が下段廻し蹴りのモーションに入ったのを察知して、同時に対角線上の足を動かして上段廻し蹴りのカウンターを狙う。 下段廻し蹴りは、比較的カウンターを合わせやすいから、逆にチャンスである。
■死角に回り込んで上段廻し蹴りを叩き込む。
構えた状態から、相手の斜め横に潜り込む。 同時に鉤突きで脇腹を叩く。 相手の意識は腹へと向きがちになるので、そこを突いて上段廻し蹴りを見舞う。
■相手の心理も操作できる
突きや下段廻し蹴りであれば何発も蹴らないと効かせることは難しい。 上段廻し蹴りは、元気でピンピンしている相手を一撃で倒せる技なので一瞬で劣勢を覆すことができる。 そのため、覚えているとじつに有利に試合を運ぶことができる。
■突きや下段や中段の蹴りからつなぐのがセオリー。
逆に上段廻し蹴りを見せ技にすることもある。 上段廻し蹴りを決め技と見せ技にする割合は半々くらい。一発で決まる技だけに、相手は上段廻し蹴りを警戒するから、相手の心理を操作出来て有効。