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資料館② 教育勅語

<教育勅語>
教育勅語は、明治天皇が国民に語りかける形式をとる。
まず、歴代天皇が国家と道徳を確立したと語り起こし、国民の忠孝心が「国体の精華」であり「教育の淵源」であると規定する。
続いて、父母への孝行や夫婦の調和、兄弟愛などの友愛、学問の大切さ、遵法精神、事あらば国の為に尽くすことなど12の徳目(道徳)が明記され、これを守るのが国民の伝統であるとしている。
以上を歴代天皇の遺した教えと位置づけ、国民とともに明治天皇自らこれを守るために努力したいと誓って締めくくる。
これは、西洋の学術・制度が入る中、軽視されがちな道徳教育を重視したものである。
もちろん、西洋文明にも宗教(キリスト教)を背景とした道徳教育は存在するが、それを直接日本人に適用するわけにもいかず、かといって伝統的に道徳観の基本として扱われてきた儒教や仏教を使うことも明治政府の理念からすれば不適切であった。
このため、伝統的な道徳観を天皇を介する形でまとめたものが教育勅語とも言える。
こうした道徳観は、伝統的な儒教とは異なるものであり、江戸時代の水戸学及び明の朱元璋の発表した六諭からの影響が指摘されている。
教育勅語 12の徳目
  1. 親に孝養をつくそう(孝行)
  2. 兄弟・姉妹は仲良くしよう(友愛)
  3. 夫婦はいつも仲むつまじくしよう(夫婦の和)
  4. 友だちはお互いに信じあって付き合おう(朋友の信)
  5. 自分の言動をつつしもう(謙遜)
  6. 広く全ての人に愛の手をさしのべよう(博愛)
  7. 勉学に励み職業を身につけよう(修業習学)
  8. 知識を養い才能を伸ばそう(知能啓発)
  9. 人格の向上につとめよう(徳器成就)
  10. 広く世の人々や社会のためになる仕事に励もう(公益世務)
  11. 法律や規則を守り社会の秩序に従おう(遵法)
  12. 国難に際しては国のため力を尽くそう、それが国運を永らえる途(義勇)
教育勅語
朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニコヲ樹ツルコト深厚ナリ 我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此 レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ 兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ 修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シコ器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開 キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無 窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス 又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン 斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所 之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々 服膺シテ咸其コヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
  御名御璽

■教育勅語の現代語訳
わたくし(天皇)は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。
そして、国民は忠孝両全の道を全うして、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、見事な成果をあげて参りましたことは、もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。
国民の皆さんは、子は親に孝養をつくし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸を開いて信じ合い、そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格をみがき、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。
そして、これらのことは、善良な国民としての当然の努めであるばかりでなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、更にいっそう明らかにすることでもあります。
このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、この教えは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、外国でおこなっても、間違いのない道でありますから、私もまた国民の皆さんと共に、父祖の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。
(終)