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資料館@ 身体意識編
【身体意識について】 身体を鍛えるというと、筋肉量を増やしたり、全身持久力を高める方法が主流です。
でも、人間の運動能力は、どうしてもこれだけでは測りきれません。西洋のスポーツ科学では解けない何かが秘められていると思われてきました。
人間の持つエネルギーは、筋肉の断面積に比例し、かつ筋肉の長さの二乗に比例します。
もし、エネルギー量だけが関係するならば、筋肉が太く身長の高い選手が常に勝つという図式が成り立ちます。
ところが、決して体格的には恵まれているとはいえないにも関わらず、トップアスリートとして注目を浴びている人もいるのです。パワー以上に質的能力が備わっているからにほかなりません。
身体の背骨近くを貫く「軸 (センター)」や下腹部に形成される「ハラ (下丹田)」に代表される、身体意識が非常に発達しているということ、この身体意識という働きこそが重要な鍵となります。
身体意識は、精神と身体の間に存在する意識です。これが行動の根本力になります。
身体に点在している身体意識を繋いでいくと設計図のようになります。しかし、それだけでなく、質の高さが求められます。
それらを充分に発揮させるには、巧みな身体づかいと心の迫力、身体のユルミが必要になってきます。筋肉の余計な拘束が不自由な動きを生み出しているのです。
呼吸法や意識操作も駆使し、脳を隅から隅まで鍛え上げます。意識は自分自身の中へと入り込み、身体を内側の深くから改善します。
身体意識は、"極意" の 1つとされています。
『意識』と『身体の動き』を一致させます。
『意識を極める』と書いて"極意"と読みます。
昔は、今のような情報社会では無かったので、"秘伝" と していました。俗に言われる『秘伝』は、 "手品の種明かし" のように、知ってしまえば当然のことなのです。
でも、種がわかっても"マジシャン"に なれないように、「知識」「会得」だけでは役に立ちません。
使えるようになるまでは、いっぱい稽古しないと、「体得」できません。
体得しているのと、していないのとでは、身体の動きが全然違ってくるのです。
快適な日常生活や空手での優れたパフォーマンスを求めるなら、やはり、「身体意識」を高める事が不可欠です。
「意識したもん勝ち」です。
「丹田(たんでん)」 「丹田(たんでん)」は、>内丹術で>仙人になるための>霊薬仙丹を練るため、>気を集め練る体内の部位のことです。
「丹田」の概念は、インドのヨーガ思想を模倣したものと言われます。
東洋医学における関元穴に相当し、へその下3寸(へそと恥骨稜の間を5寸とする)に位置すると言われています。意味は気の田のことです。古くは『素問』遺篇本病論に「神游上丹田」、邊韶の書『老子銘』に「存想丹田」、張仲景の『金匱要略』にもみられます。
これらは>後漢(3世紀前半)の書として伝来しますが、文献学的には唐代以後のものです。
内丹術では、気を材料として「下丹田」を炉とみなし、>呼吸をフイゴとして仙丹を練ります。なお女性の場合は、乳房の間の>?中穴を炉とします。
解剖学的には該当臓器などはありませんが、>心身医学の領域では、>自律神経の働きと>免疫機構の関係が注目され、[丹田]に相当すると考えられています。
「丹田」は男性での名称で、両眉の間にある「上丹田」、心臓の下にある「中丹田」、ヘソ下3寸(約9cm)にある「下丹田」などがあります。
武術でも、『下丹田』を重視しています。古流の武術では、"極意" の 1つとされています。
「上丹田」 『上丹田』は、眉間にあります。
俗に『第3の目』と言っているところです。
軸との関わりが非常に深い身体意識です。
上丹田は、「鼎、泥丸(ニルヴァーナ(>涅槃)の漢字の音訳)」といいます。
経穴(ツボ)で言う所の『印堂穴』に当たります。
『天帝』などと呼ぶ事もあります。
脳の前頭前野を活性させる働きに注目されます。昔から、出来る人のことを「目鼻が通る」と表現しましたが、これはまさに上丹田が通っていることを表現した言葉なのです。
この上丹田に気を導入していくと、知識や経験など、その個人が持っている能力を最高に発揮 できるようになります。
武術的には、勘が鋭くなり、何かを教えるのは、この『上丹田』の働きです。
危険な場所に近づかなければ、無事でいられます。もし誰かが隠れていても、気配で分かるのも相手の"気"を感じるからです。
【上丹田の位置】 頭部の重心位置。
眉と眉の間の少し上。
『丹田』と、『チャクラ』は同じようなものです。
「チャクラ」は7つ(派によっては8つ)ありますが、『丹田』は、上中下3つで対処しています。
身体意識の3つで、『チャクラ』7つ分を兼ねています。
多い少ないで優劣があるわけではありません。元々"意識体"ですから、逆にもっと増やす事もできるわけです。
多ければ、その分細かく身体のコントロールができるわけですし、少なければ、その分簡単に身につくわけです。
【上丹田の強化】 第3の目といわれる額の前に、指を立てて意識を集中させます。指を起立させて、残りの指や腕、肩は脱力させます。
「中丹田」 『下丹田』が 臍の下なら、『中丹田』は 胸の中央にあります。身体の内部(中心部)にあります。
中丹田は、経穴(ツボ)で言う所の『壇中穴』に当たります。相手の想いを知ろうとしたり、自分の想いを伝えたりする時に使えます。
積極的、ワクワク感、やる気、行動力、トキメク、前向きになる、つまり、コミュニケーションにも使える丹田です。やる気が起きる情熱の丹田でもあります。
"胸に手を当てて よく想いかえしてみる" "胸が痛い" "胸が苦しい" "胸に熱いものがこみ上げてくる"など、心・人の想いに関する場所は胸なのです。
武術的には、相手の出方を知る事で 出鼻をくじき、攻撃させないようにするという達人の技には不可欠です。コミュニケーションの丹田ですから、仲良くなってしまえば戦いを避ける事ができるわけです。ただし、相手のコミュニケーション能力が無い場合は無理です。
それでも、『中丹田』の意識が出来ると、『下丹田』の重心の安定を更に助けますし、度胸もつきますので有利になります。
【中丹田の位置】 乳首と乳首の間の位置で胸骨と肩甲骨の間。上半身の重心位置。上半身の神経そうと上肢の筋肉が集中している辺りです。昔、「胸中」 「本当の訳」 「極意」 を、旨(むね)と読みました。
話す時も 歌っている時も、一生懸命に想いを伝えたい時って 自然と胸に手をやるはずです。
パワーストーンを胸に下げる事も、ちゃんと意味のある事です。
【中丹田の強化】 左右の乳首を結ぶ線の中間地点を、指先でトントンと軽く叩いて刺激します。少しずつ奥に響いていき、ジーンとするような温かい感覚が生まれます。それを、次に五本の指先で包み込むような形で叩き、球状の意識にしていきます。
但し、中丹田を発達させすぎると、抑えが効かなくなり、暴走状態になる可能性があります。
ですから、同時に下丹田を発達させて、それをうまくコントロールする力を身につけます。
「下丹田」 よく、「臍下丹田」とも言われます。臍下(せいか)、つまり臍(へそ)の下にあります。
但し、皮膚の表面ではなく、身体の内部(中心部)にあります。
下丹田(臍下丹田)は、経穴(ツボ)で言う所の『気海穴』に当たります。
体軸が出来て下丹田が出来れば、身体の動きが安定するのでムダな力は必要なくなります。
昔は、「下丹田」を、「肚(はら)」とか、「胆(きも)」と言いました。
「胆(きも)を練る」とか「肚(はらが出来た」と言います。
"いざ"という時に「物事に動じない」事を重視したわけです。
下丹田は、「臍下丹田(せいかたんでん)」、「気海丹田(きかいたんでん)」などとも呼ばれ、単純に「丹田」と言った場合、下丹田のことを指していうことが多いです。
下丹田は呼吸にも大きく関係しています。それはちょうど横隔膜の下に形成されるため、腹式呼吸を自由にコントロールできるようになるのです。
息が深く底に入り、身体の上の方が抜けた感じになることを「上虚下実(じょうきょかじつ)」と言います。これを作り出すのが「下丹田」です。楽に呼吸ができるようになるため、ドキドキ、ハラハラするようなピンチに陥ったときでも、いつもと変わらず平常心でいられ、下半身が頼りなく、舞い上がってしまうことがありません。
心が乱れない、どっしりする、堂々と安定した感じがする、肩の筋肉を弛緩させる、自律神経をコントロールできるなどの利点があります。
逆に、欠乏症状は、頭に血が上がりやすい(キレやすい)、息があがりやすい、不安定になります。
下腹部の内部、身体の一番奥にある腸腰筋 (大腰筋と腸骨筋という2つの筋肉の総称)は、腸骨と大腿骨をつなぐ大事な筋肉です。
上半身と下半身の動きをコントロールする司令塔のような存在です。
そして、この位置に下丹田ができて腸腰筋が活性化されると、足捌きが格段に良くなり、「大地に居着くことなく大地を感じながら動ける感覚を得ることができるようになります。
【下丹田の位置】 位置については、昔から いろいろ言われています。
「臍下指3本下」とか、「臍下三寸(9センチ)」とか、「臍下3センチ」とか、「へそ下から指3本分下と、第5腰椎と仙骨の間の中心あたり」とかも言われます。第5腰椎では無く、第4とか 第3とか説明している人もいます。
具体的には、 上半身の重さを垂直に落とします。
骨盤底筋を働かせ、会陰を広げながら上に引き上げます。その両者の力のぶつかった処が「下丹田」です。
腸腰筋で、上半身下半身を繋ぎます。これを「統一体」と呼びます。
【丹田はイメージ】 『丹田』は、 身体の真ん中にあるイメージで、『 自分で球(ボール)の意識をつくる 』のです。
『下丹田は、自分の身体の重心が安定する場所』だから、『重心点』である事が分かります。
神経叢(神経の集まっている部位)でもあります。それを利用すれば 位置の"感覚"をつかみやすい思います。
【 体 軸 】  体軸、正中線、中心線、センター、 呼び名は色々ありますが、全部同じものです。
以前から、武道、舞踊やダンスの世界では重要視されてきました。
尚、「正中線は背骨」ではありません。
"背骨は身体の柱"であって、『軸』ではありません。
人の体形によって、多少の位置は変わりますが、背骨よりも前方にあります。
『体軸』は、身体の表面では無く、身体の真ん中を縦に貫くイメージ で、「身体内に線の意識をつくる 』ことです。天才的な武術家やアスリート達は、意識するしないに関わらず「体軸」をしっかりと持っています。
地球の重心(地芯)と天芯を結び身体をまっすぐ上下に貫く直線上の身体意識です。
身体意識が、天と人と地を貫いているのです。
中心軸は、結び立ちして、両内踝の真ん中から、脛骨の真下、膝裏の空間、会陰、背骨のやや前側をを通り、百会(頭の真ん中よりやや後ろ)に抜けます。
自分の身体の動きを、コントロールしやすくなります。
身体のバランスが良くなります。
身体の動きが良くなります。
疲れにくくなります。
自分自身がぶれない、強い信念の身体意識が生まれ、組織の中心的存在に必要不可欠です。
相手が攻められたら困る肝を正確に掴める、リーダーシップを発揮する、大所高所に立って物事が見える、洞察力や判断力がすぐれる、相手の攻撃に対してブレなくなる、自分という存在を相手にハッキリさらしながら耐えられる、身体を左右に割って両側を自在に使えるなどの効果が生まれます。
どんな建物にも縦に伸びた垂直のラインがあります。真垂直に柱を通すことで、最小限度の力で重量を支えているのです。人間の身体も同じで、軸ができると少ない力で立つことができるのです。
「中心軸」と「二軸」 「二軸」は「側軸」と呼ばれます。
「丹田」も「体軸」も 意識体です。
「体軸」の1つである「側軸」も意識体と認識しています。
「側軸(二軸歩行)」 「ナンバ歩行」は、「側軸(二軸)歩行」とも呼ばれています。また、「常足」(なみあし)という言葉を使っている団体もあります。各々、運動理論の細部が異なりますが基本的には同じものです。
「常足歩行」は、そして、「中心軸」と「側軸」を合わせて【体軸】と呼んで重要視します。
武術では、「中心軸」としての「体軸」ができれば、動きのパフォーマンスが向上します。
最近、「中心軸」ではなく、「左右軸(二軸)」が重要とする考え方が主流になってきてい ます。
ではもう 「中心軸」は、必要無いのでしょうか?! 「中心軸」や「側軸」は、昔からある意識体です。
「中心軸」よりも、「側軸」という考えではありません。
「中心軸」も持てない人間が、「側軸」を使いこなせるとは考えられません。
「側軸」はどこを意識すれば良いか 「1.肩(肩関節)」と「2.腰(股関節)」をポイントにして、仮想の線でつなげたラインが 「側軸」です。
両肩の関節に接続された「上腕骨上部の丸く出っ張った部分」 骨盤と大腿骨が接続された部分が「股関節」です。
この股関節に接続された「大腿骨の上部外側の丸く出っ張った部分」 脛骨 脛骨真下の足裏 人間本来の立ち方は、脛骨で立つことです。脛骨から真直ぐの延長上には股関節があります。
側軸が形成されるということは、身体がゆるんで背骨の両側が割れているという証拠です。
つまり、空手に活かすには、「中心軸」と「側軸」を含めて【体軸】を作るべきです。
「側軸」を、上手く使いこなすのは、「中心軸」が出来ている人だけです。
大切な事は、こわれたロボットみたいに 「手足の同時運動」 を練習する事ではありません。
「正中面(真直ぐ正面を向く姿勢)」を作る事です。そして、体幹部(胴体)を捻る事でおきる、力や時間のロスを防ぐために、「肩と腰の動きを一致させて」移動します。
「丹田」は身体の重心部分、「中心軸」は身体を縦に貫く中心線部分ですから意識しやすい。
ですから、まず最初に「中心軸」の方が理解しやすく、効果も体感しやすい「中心軸」を作るべきだと思います。それから、意識を「中心軸」に残したまま、「側軸」を作っていきます。
【ナンバ】 江戸時代以前の人々の、体の使い方を『ナンバ』と言います。長距離を走る飛脚は、ナンバ走りです。
『ナンバ走り』の腕振り は、相撲のテッポウ(突っ張りの練習)のように、腰と一緒に前へ送る動きをしています。
「ナンバ」 正中面(真直ぐ正面を向く姿勢)をとる。
体幹部(胴体)を捻らない。
腰から動く。
"正中面"をつくり、腰から動き、上半身が下半身を助ける事は有っても、邪魔をすることは無く、各々が独立した存在であるかの様に動ける状態です。
大切な事は、こわれたロボットみたいに "手足の同時運動" を練習する事では無く、"正中面"(真直ぐ正面を向く姿勢)を作る事なのです。
体得すれば、武術やスポーツで "相手から動きが読めない"という利点はあります。武術やスポーツの中で、必要なとき、必要なだけ使えれば良いのです。その為に、感覚を掴んでおくのも良いのではないか、ということです。
【日本に多く見受けられる理由】 日本人は 農耕民族であり、農作業において鍬を振るうときは、身体的なクセとして、"利き手 利き足"を前に出す。武士も、刀を振るときは、"利き手 利き足"を前に出します。
江戸時代の、武士や飛脚以外の一般庶民は走れなかった。という説もあります。戦で農民が駆り出されても、時代劇や映画のように走れなかった。槍もって歩いてた。という説もあります。
西洋人的な走り方が出来なかった"と、解釈できます。
武士や忍者が走るときは、刀を押さえていなければならず、飛脚もまた荷物を付けた棒を押さえて走らなければなりません。やはり 体幹部(胴体)を捻ると、走りづらい。
武術の基本中の基本なのですが、『腰から動いて 上体の向きを変えている』のです。
着物や浴衣を 着崩さずに歩くには、体幹部(胴体)を捻ってはいけません。
舞踊や歌舞伎の動きから考察しても捻りは存在しますが、体幹部を捻っている訳ではありません。武術も同じです。道着を着慣れない人は、前がはだけてしまい、すぐ着崩れてしまいます。
体幹部(胴体)を捻らなければ、"手足の交互運動" で 歩いても着物も 浴衣も 着崩れません。
また、3.4歳頃までは、右手右足、左手左足 を 同時に前に出す"手足の同時運動"を多く行っていますが、幼稚園の運動会の練習で、行進を教わってから右手左足、左手右足を交互に前に出す "手足の交互運動" である現代式 (西洋式) の歩き方に変わってしまいます。
これは、明らかに「西洋式の訓練」によるものの影響を受けています。
ヨーロッパの絵画集と、日本の浮世絵集をみると、絵画を見るかぎり 西洋・東洋 問わず、両者に右手右足、左手左足を同時に前に出す "手足の同時運動" と、右手左足、左手右足を交互に前に出す "手足の交互運動" が見られます。
確かに日本の浮世絵の方が 『ナンバ』の動きが多いのも事実ですが、 西洋の 射撃やフェンシングも、"利き手 利き足"が 前になりますから、『ナンバ』 の動きは、けっして 日本人だけの動きでは無いという事になります。

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