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資料館A 上達の法則・具体例
<上達の法則・具体例>
上達には法則がある。
近道ではなく法則がある。
その法則が把握できている人は、努力の効率がよい。
一芸に秀でることは、多芸に秀でることだという考え方がある。
それは、上達には一般的な法則があり、一芸に秀でる過程でその法則をある程度体得すれば、他の技能の上達にも応用ができるからである。
何かを継続してやるのなら、上達できるといいでしょう。
上達すれば、うまくできるようになり、それだけ楽しめるようにもなれるでしょう。
自分の上達を感じられた時には喜びがあり、上達が続いていると思えることを幸せにも思えるのではないでしょうか。
上達のコツや法則のようなものもあるのだと思います。
一度上達のコツや法則を身につけた人は、他のことをやる際にも上達が早いような気がします。
一芸に秀でるということは、上達の経験があるということであり、それなりの上達のコツもつかめるのでしょう。
また、「自分はこれが相当にできる」という自信も大きいと思います。
自信がある人には心の余裕があり、落ちついてやるべきことをちゃんとやることが、着実な上達にも、いい結果にもつながるのだと思います。
自信をもってやることが、上達のコツの一つなのかもしれません。
何か一つのことに上達できるように努力を続けることが、自信や上達のコツ、体得につながり、その後の人生で大いに役立つのではないでしょうか。
また、人生という長い目で考え、生きることに上達して幸せに暮らせるようになっていけたらいいのではないでしょうか。
上達したいと思ったら、まずはじめることである。
「どうやったら上達するか」をはじめから考えすぎていたら、いつになっても着手できない。
やり方がわからないという人は、じつは、やり方がわからないのではなく、それで上達したいという気持ちがまだ高まっていないのである。
始めなければ、絶対に上達しません。
上達の方法を本を読んだり人から教わったりすることも、はじめは大切でしょう。
でも、実際にやらなければ、できるようにはなりません。
何かを上達したいと思うのなら、まず始めることでしょう。
「どうやったら自分は上達できるか」「自分にはできないのではないか」「大変なのではないか」・・・などと考えていてもしかたがありません。
「はじめはわからないのが当たり前」「はじめはうまくできないのが当たり前」「はじめは大変なのが当たり前」。
でも、「努力すればできるようになる」「努力を続ければ上達できる」「慣れればそんなに大変ではなくなる」。
さらに、「できるようになれば楽しくなる」「上達の過程には喜びがある」「上達すればそれなりの自信がもてる」などと考えたほうがいいでしょう。
上達するためには、実際にやりながら工夫することが大事でしょう。
やってみてわかった問題を一つ一つ克服していくことだと思います。
立ち止まって考えていても何も始まりません。
「歩きながら考えよう」と考えられるようになるといいのではないでしょうか。
何かを始めるためには 「やる」という決断が必要でしょう。
「上達しよう」という意志をもつことも大切でしょう。
それなりの大変さがあるのは覚悟したほうがいいでしょう。
勇気を出して始めることが大事でしょう。
いずれにしても、自分の心をコントロールできるようになることが、始めるためにも、上達のためにも必要なのではないでしょうか。
中級者とは、初心者が上手になった人達を指す。
けれども、中級者がさらに上手になっただけの人が上級者だというわけではない。
中級者と上級者のあいだには質的な差がある。
どんな技能でも、上級者の域に達しようとすれば、それだけの努力を一定期間続けなければならない。
何かを上達したいと思うのなら、努力を続けることが必要でしょう。
初心者が努力を続ければ、やがて中級者になれるのでしょう。
でも、ただ続けるだけでは、上級者にはなれないのかもしれません。
中級者と上級者の差とは、どのようなものでしょうか。
「実績」と「自信」があると思います。
上達した能力を発揮することで、それなりの成果やいい結果を出すことが重要でしょう。
練習でできても、実績を上げられなければ、上級者とは認められないでしょう。
さらに、安定した実績を続けることも大事だと思います。
そのためには、技能だけでなくメンタルの力も必要なのではないでしょうか。
メンタルの力の基盤となるのが「自信」だと思います。
上級者とは、自信をもって高い実力を安定して発揮できる人ではないかと思います。
いい結果を出すことが「自信」につながり、自信をもってやることが「実績」を築いていくことにつながるのではないでしょうか。
もう一つの上級者の条件は、自分なりの考えややり方をもっている、ことではないかと思います。
上級者になれば、それぞれに特長が表れるような気がします。
そのためには、自分なりに考え、工夫を重ね、努力を続けることが大事なのだと思います。
その前に、上級者を目指す意志と、それなりの努力をする決意をもつことが必要なのかもしれません。
なにかひとつのことに、一日一時間くらい、あるいは週に一度か二度くらいの時間をあて、そこで自分の知識なり技能なりを積み上げていくことが、精神衛生上も非常によい。
その一日一時間なり、週に一、二度なりが、心理的には自己確認の時間として機能してくれるからである。
  何か身につけたいことがあっても、「時間がない」という人もいると思います。
ふつうに社会生活を続けながらでは、まとまった時間をとることは難しい人も多いでしょう。
でも、1日1時間、それが無理なら1日30分の時間をつくることはできるのではないでしょうか。
1日1時間でも1年間続ければ300時間は越えるでしょう。
1日30分でも150時間です。
それだけ一つのことを続ければ、きっと上達を実感できるのではないでしょうか。
それを工夫しながら何年も続ければ、いずれ上級者になれ、それなりの自信をもてるようになれるでしょう。
何かに集中する時間を習慣としてもつことには、上達以外のメリットもあると思います。
集中することで、日常の雑事やイヤなことを忘れられれば、習慣的に気分転換ができます。
少しでも楽しめるのなら、なおさらです。
自分の目標にむかって努力することで、それなりの充実感を感じることもできるでしょう。
自分のための時間を日常的にもてることは、安定した生活とともに、安定した心を保つことにもつながるのではないかと思います。
1日30分の時間もつくれないという人は、はじめからあきらめているか、言い訳がクセになっているのかもしれません。
本気で時間をつくる方法を考えれば、きっと何か工夫や方法ができると思います。
それでも、「時間がない」という人は、今の生活や生き方を考え直したほうがいいのかもしれません。
幸せになるためには、心の余裕が必要だと思います。
心の余裕には時間の余裕もある程度は必要でしょう。
そして、何よりも自分が幸せになるために時間を使えるようになることが大切でしょう。
その方法の一つが、何か一つのことに上達することだと思います。
上達したいことが特にない人は「幸せになる」ことの上達を目指してはどうでしょうか。
いずれにしても、努力する習慣がある人とない人では、人生で得られるものの質も量も大きく違ってくると思います。
ある程度、コンスタントに練習するようになれば、どんな形でもいいから、記録やメモをとったりする工夫を始めるべきである。
まず、ノートをとるためには、何時間か後にノートがとれるように覚えていなければならない。
また、当然ながら、ノートは、反復練習を可能にする。
大切なことは、まず、ノートをとり始めることなのだ。
ノートをとっているうちに、次第に、自分なりの書き方の工夫が出てくるものなのである。
本気で上達したいのなら、研究熱心さが必要なのだと思います。
それを実現する方法の一つが、ノートをとることなのでしょう。
ノートに書くためには、書くことを見つけなくてはなりません。
それだけ自分の行いに目を向ける必要があります。
その中から、自分の問題点や課題に気づくことが上達への第一歩になるでしょう。
自分の問題への対策を考え、課題を一つ一つ克服していくことが上達への近道なのだと思います。
自分の課題と対策を意識してやるのと、ただなんとくやるのとでは、大きな違いが生まれるでしょう。
悩みや問題を解決するために、紙に書いて考える方法をおすすめしています。
上達のためのノートをとる際にも参考になるのではないかと思います。
また、日記のようによかったことやうまくできたことや上達を感じられたことなど、いいことを書くようにしたほうがいいのではないでしょうか。
プロと言われる人の中には、ノートを事細かく長年に渡って書いている人がたくさんいます。
たとえば、サッカーの中村俊輔選手は高校の時からずっとサッカーノート(俊輔ノート)をつけています。
米大リーグのシリング投手は試合中のベンチの中でもよくノートをとっています。
お笑いタレントの人の中には、ネタ帳という言われるノートを書いている人がたくさんいます。
ノートの書き方にこだわることはないと思います。
はじめは思いついたままに書けばいいのです。
とにかく始め、続けることが大事なのでしょう。
続けていく中で、工夫して自分なりの書き方になっていくのだと思います。
一つのことに上達するために、ノートを書く、書き続けるために、一番必要なのは「上達したい」という熱意のような気がします。
ふつうの人がそこまでできないのは、熱意が足りないからではないでしょうか。
得意なものは上達の大きな原動力となる。
習得している技能のなかで、なるべく早く、なにか自分の得意や好きなものをみつけることがよいと思う。
初歩段階では、無理やりにでも、好きなものを作るのがよいと考えている。
自分が得意なものは、うまくできて喜べることが多く、上達も早いでしょう。
自分の好きなものは、楽しむことができるでしょう。
何かを選ぶ場合、"好き"というのは大きなヒントになると思います。
いずれにしても、努力をあまり苦にせずに続けられることが上達につながるのではないでしょうか。
得意なもの・好きなものというのは、自分に向いているもの・適性があるものと考えられます。
それを「才能がある」と言ってもいいのかもしれません。
上達を目指すのなら、自分に合ったもの・才能を発揮できるものを選ぶことができるといいのでしょう。
とは言っても、何事も上達するためにはそれなりの努力が必要です。
そうラクには上達できないでしょう。
ちょっとうまくできないと苦手意識をもってしまう人もいるでしょう。
なかなか上達しないと嫌いになってしまう人もいるでしょう。
ちょっとでも得意な所を見つける、自分の得意技をつくる、というような部分的な得意をつくることができるといいのでしょう。
多少大変な努力があっても、ここの所が好き、という好きな部分を見つけられるといいのではないでしょうか。
また、はじめはそれほど好きでなくても楽しむ努力や工夫をすることで好きになっていけたらいいのだと思います。
好きな道、得手の道を捨ててはならんものじゃ (坂本竜馬) 自分の好きなこと・得意なことに上達して、それを活かして幸せになっていけたらいいのではないでしょうか。
時間をかけてやる限り、ある程度に上達することによって、多忙が心理的な忙殺を生まないような生活をすることができる。
そのようななかで、毎日、毎週、少しずつ自分自身の技量が向上して行くのを感じながら生活することは、なかなか大切である。
また、立派に職業生活をこなす一方、そのような上達を達成できたという自信は、深部で、自分の仕事の能力への自負、自信にもつながっていくものである。
何かを身につけようと努力を始めた当初は、いろいろと大変でしょう。
でも、一日にやる時間がそれほど長くなければ、慣れるにつれてラクになるでしょう。
また、上達にするにつれてラクになるだけでなく、それなりに楽しめるようになれるのではないでしょうか。
努力を続ける過程で、自身の技量の向上など進歩を感じられれば、喜びを感じられるでしょう。
自分で考えて工夫したことがうまくいった時の、工夫の喜びも感じられると思います。
また、そういう生活の中で充実感も感じられるのではないでしょうか。
このような喜びや幸せを感じ、楽しめるようになることが、努力を持続させ、上達を早めるためには、とても大事なのだと思います。
ただつらいだけの努力、つまらない努力は長くは続かないのではないでしょうか。
自身の上達を感じられれば、それにつれて自信もついてくるでしょう。
自信がつくにつれて、安定した上達ができるようになるのだと思います。
一つの面に対する自信は、他の面にもいい影響を与え、他のことがうまくできたり上達が早くなったりすることもあると思います。
また、一つの面の自信は、トータルな自分自身の自信にもつながるのだと思います。
「自信がない」という人は、何か一つのことに上達するという目標をもって努力してみるのもいいのではないでしょうか。
人には、成功したときに喜ぶ気持ちと、失敗したときにくやしがる気持ちのふたつがある。
初心者、中級者はうまくいったときに喜ぶ気持ちが強く、それが成長の原動力となる。
けれども、上級者は、失敗したときのくやしさが、うまくいったときの喜びをはるかに上回るのである。
うまくいったときには、素直に喜ぶ気持ちが大切でしょう。
「できて当たり前。
できないと自分を責め、落ち込む」このような人は、イヤイヤやることになり、いずれはあきらめることになるのではないでしょうか。
初級者・中級者の人は、少しでもうまくいったとき、少しでも進歩を感じられたときには、素直に喜んだほうがいいでしょう。
上級者の人も、小さな成功・小さな進歩を喜べる素直な心を大切にしたほうがいいのではないでしょうか。
失敗したときにくやしい思いをしたのなら、その気持ちを心のバネに頑張ることができるといいのでしょう。
たとえば、やる気がでないときには、そのくやしかったことを想い出すことが力になるのではないでしょうか。
ただし、失敗したときにすごく落ち込んだり、長い時間くやまないことも大事でしょう。
そのためにも、「このくやしい気持ちをバネに頑張ろう」と考えられるいいでしょう。
完璧主義は不幸の元です。
100%からの減点法でなく加点法の考え方を心がけたほうがいいでしょう。
「比較は不幸になる考え方」です。
『大事なことは、進歩向上の比較を他人とするのではなく、過去の自分とすることです』(多湖輝)。
また、進歩には波があると思います。
一時的な低下にめげずに、長い目で考え、努力を続けていくことが大事だと思います。
その原動力として、自分の喜びの気持ちとくやしさの気持ちをうまく利用できるようになれたらいいのではないでしょうか。
なにかひとつの技能でも上級の域に達した人は、その過程で人格的な安定感を身につける。
日々の生活のなかで、上手に時間を作り、情熱を数年にわたって静かに燃やし続けるという生活の継続によって生まれる安定感である。
一つのことで上級者になれた人は、上達の過程を経験したことになります。
経験がゼロ(ない)とイチ(ある)の差は大きいと思います。
経験がある人は、「努力すればできるようになる」と自ずと思えるでしょう。
「やればできる」という実体験に基づく自信は、他のことをやる際にも好い影響を与えるでしょう。
「できる(に違いない/だろう/かもしれない)」と思ってやるのと、「できない(に決まっている/のではないだろうか)」と思ってやるのでは、前者のほうができる確率は高いでしょう。
そういう確率の高さがその人に安定感を生むのではないでしょうか。
また、心が揺れそうになったときに、「自分はこれがある」と思える人は、それを支えに心を立て直せることもできるのではないかと思います。
何事も上級者になるためには、"心の安定"が不可欠ではないかと思います。
安定した力を発揮できるのが上級者であり、そのためには安定した技能と安定した心が必要でしょう。
上級者を目指す中で心を安定させる術を身につけることが、人間としての成長につながり、人格的な安定感を身につけることにつながるのではないでしょうか。
自分を人間として成長させ、安定感のある生活・人生を送れるようになるためにも、何か一つのことに上達できるように努力してみるといいのでしょう。
上級者のひとつの特徴は、記憶の能力が高いことである。
具体的には、意図的記憶、偶発的記憶がともに高く、記憶の再現が速く正確なことである。
上級者のほうが、同じ練習などをしていても中級者より退屈しにくく、長く続けられる。
一般に上級者のほうが中級者より疲労しにくい。
上達するためには、改善点を見つけることが大事でしょう。
そのためには、自分がやった際の事を細かくわかることが重要でしょう。
あとで反省するためには、それを記憶しておくことも必要でしょう。
上級者になるためには、自分の活動とその影響を客観的に見て記憶する能力を育てることが大事なのかもしません。
そのためには、ノートをとり、自省する時間をもつのがいいのではないでしょうか。
初級者は、余計な力が入りやすく、疲れやすいでしょう。
中級者になると、慣れてきてふつうにできるようになり、そこで満足してしまうと飽きてしまうのではないでしょうか。
上級者になるためには、さらなる向上心をもって努力を続けることが重要でしょう。
また、上級者は余分な力を抜くことを覚えることで、より持続できるようになれるのでしょう。
改善点を見つける力と持続力は、上達力の大きな要素だと思います。
また、自身の進歩向上を喜びとし、やること自体を楽しめるようになることが、上級者になるためには大切なのではないかと思います。
岡本浩一著「上達の法則」 ・上達の法則―効率のよい努力を科学する 仕事や趣味、英会話やスポーツ、囲碁将棋、茶道など。
技能の上達とは、科学的にはどういうことなのか、上級者と初心者は何が違うのか、記憶と認知の研究で裏づけを持たせながら、わかりやすく一般向けに語る本。
著者は社会心理学の教授。
■上級者に特有の性質がある
どの分野でも上級者には特有の性質が見られるという。
例えば一部を抜粋すると、
【上級者特有の性質】
・退屈しにくい、疲労しにくい
・「ながら」ができる
・移調作業ができる(ギタリストはベースも弾ける)
・復元仮定作業ができる(勝負後に正確に分析)
・コツをメタファで表現できる
・他者への評価が早くでき明瞭、でもすぐには表に出さない
・一見無関係なことからヒントを得る
・細部へのこだわり、美観がある
・上級者特有のスキーマ依存エラーを犯す
といった性質である。
人間の認知学習に関わる記憶の構造がこの性質と関係があり、著者によると、こんな概念図として描ける、という。
情報はまず感覚器官から、ワーキングメモリを通して長期記憶へ定着する。
ワーキングメモリでは、情報を、記憶できる小さな単位(チャンク)にまとめる。
このチャンクのまとまりを構造的に安定させ、長期記憶に長く残す仕組みとして、スキーマとコードシステムの二つが解説されている。
スキーマは知覚、認知、思考の枠組みのことであり、ぱっと物事を見たときに一瞬で要点を把握するのに必要なメタ知識である。
毎日引越しを手伝っていれば、だいたいダンボール一箱はこれくらいの重さだ、とか、車両の運転ならこれくらいハンドルを切るとこれくらい曲がるだろうといった情報の蓄積である。
上級者ほどスキーマを多く持ち、それに依存する。
あまり思考することなく反射的に動作できる代わりに、初心者では、ありえない奇妙なエラーを犯すことがある。
コードシステムとは、大量の情報を、記憶しやすい大きさの知識に変換して長期記憶へ定着させる仕組みのことである。
この本では、ファックス文書をイメージデータとして保存すると大きなサイズになるが、テキスト化すると小さい容量で済むという例で説明された。
上級者はコードシステムが発達しており、情報を圧縮して要点として覚えられる。
■上級者の秘密
面白いなと思ったのは次のような話だ。
1 上級者はチャンキングの柔軟性が高い
日本舞踊の上級者と初心者に舞踏のビデオを見せる。
「意味のある単位の区切りと思うところでボタンを押してください」と指示する。
つまりチャンキング実験である。
「意味の単位をできるかぎり細かくしてください」「意味のある単位をできるかぎり大きくしてください」という二つの指示をさらに与えたとき、上級者ほど前者の指示にはより小さく、後者の指示にはより大きくボタンを押すことが分かった。
上級者は一連の動きを頭の中で意味のある単位として、精緻にモデル化しているということになる。
2 上級者は瞬時に状況を計算できる
将棋では「手ドク」「手ゾン」という考え方があるという。
将棋の勝負では、駒を今まで何手動かしたか、その駒の価値になるらしい。
2手動かした駒と3手動かした駒を交換した場合、2手しか動かしていない方が「1手、手ドクをした」と表現する。
これは意思決定と機会損失の問題として数学的に説明がつきそうな状況であるが、複雑な計算をしなくとも、上級者は手ドク、手ゾンを暗算的に瞬時に読み取っている。
3 退屈、疲労しにくい
上級者ほど長時間技能を使ったり、他者の技能を鑑賞しても退屈、疲労しないという。
チャンキングとコード化ができているので、同じ状況でも上級者のほうが多くの情報を引き出し、無駄なく動けるので飽きないし疲れない。
この本では上達を分析するだけでなく、後半では上達のコツや、スランプの正体と乗り越え方に関しても、興味深いアドバイスが行われる。
前半の理論部を理解してから読めば、どれも深く納得できて、実用的だ。

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